草丈推定手法

人手による草丈の直接測定では、地面位置が高さの基準です。しかし、地面位置は同一水田内あるいは水田間で均一ではありません。また、広範囲にわたり、地面位置をcmオーダかつ高い空間分解能で観測あるいは与えることは現実的でありません。

我々が提案している草丈推定手法の特徴は、次の通りです。

  • 群落上層を高さの基準(基準位置)とする。
  • 基準位置を群落下層の任意の高さとの差(相対鉛直距離)が草丈と相関関係があるとする。

基準位置と群落下層の任意の高さを利用することで、地面位置の検知処理が不要となります。なお、基準位置と群落下層の任意の高さは、LiDAR計測した3D点群データの鉛直分布の解析(パーセンタイル解析)から決定します。

3シーズンにわたる地上実験データを解析したところ、基準位置として、3D点群データの鉛直距離1パーセンタイル、群落下層の高さとして、80~95パーセンタイルを採用した場合、草丈推定精度が相対誤差10%以内でした(関連論文